EICニュースレターNo.12 |
本号の目次
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「EIC計算機システムの利用法」講習会報告 |
EIC新システム(Origin 2000 を中心にした)の3月1日からの運用開始以来,その都度メールやオンラインマニュアルで使い方のアナウンスをしてきました.かなり運用も軌道に乗ってきたのをうけ,5月13日,20日の両日EIC計算機システム利用法の講習会を開きました.ここではその様子を報告します. 先ず13日(13:30から2時間)のコースは,これからEIC計算機を使いたい人を対象にした初級者編です.講師は情報センターの鶴岡と桧山が務めました. 内容は「EIC計算機で計算をさせるにはどうすれば良いか」をメインテーマにし,前半はコンパイラーとそのオプション,ジョブを投入などをするためのNQEコマンドとジョブスクリプト,ジョブクラスの話をしました. 後半は並列計算をする場合について,自動並列化コンパイラーオプション,並列計算機を効果的に利用するための注意,並列化ライブラリの利用についての説明でした. この講習会でのプレゼンテーションは以下に入っています. http://wwweic.eri.u-tokyo.ac.jp/computer/ 20日(13:30から3時間)のコースは,既にEIC並列計算機を使った経験がある方を対象にした上級者編です.講師はSGI社 テクニカル・コンサルタント芦沢氏にお願いしました.内容は並列化の原理と,ディレクティブ(OpenMP)の使い方でした.自動並列化オプション-apoを使ってコンパイルすると,このOpenMPのディレクティブが自動的にソースプログラムの並列化できる部分に挿入されてきます.しかしコンパイラーは安全性を重視しますから少しでも「データ依存性の心配がある」と,この部分にOpenMPのディレクティブを入れてくれません.そうした時データ依存性が起こらないようにプログラムを書き換えるか,または,ソースプログラムにOpenMPのディレクティブをユーザー自身が書くことになります.講習会では,豊富な例題を使ってどう書けばよいかなどの説明がなされました.また並列化効率を調べるための時間計測やプロファイルの採取法などの説明がありました.並列化プログラムをする際多いに参考になる内容でした. ここでのプレゼンテーションはSGI社の好意で以下に公開されています. http://eic.eri.u-tokyo.ac.jp/para_manual/ なお,講習会に参加された方は,13日が33人,20日が30人で所外の方の参加もありました. |
☆新人紹介☆ |
名前:野口 和子(のぐちかずこ) 移動してきました.新入りですが,新人ではありません.利用申請やプリンターの消耗品管理などの業務を担当しております. |
最新地震カタログ情報 |
http://wwweic.eri.u-tokyo.ac.jp:8000/tseis/
で利用できる地震カタログの最新情報です. ●JUNEC(全国地震観測網地震カタログ) 収録期間:1985/08/01〜1993/12/31 データ元:ftp://ftp.eri.u-tokyo.ac.jp/ data/junec/hypo/ ●NIED(防災科学技術研究所地震カタログ) Up 収録期間:1979/07/01〜1998/06/30 データ元:http://www.bosai.go.jp/ center/eq-catalog/index-j.html ●JMA(気象庁地震カタログ) 収録期間:1926/01/01〜1997/09/30 データ元:ftp://ftp.eri.u-tokyo.ac.jp/ data/jma/sokuho/ ●JMA(気象庁一元化震源データ) New 収録期間:1997/10/01〜1998/12/31 データ元:ftp://ftp.eri.u-tokyo.ac.jp/ pub/data/jma/mirror/JMA_HYP/ *このデータの利用については,ニュース レターNo.9 もごらんになってください. ●HARVARD(HARVARD大CMT地震カタログ)Up 収録期間:1977/01/01〜1999/02/28 データ元:ftp://128.103.105.101/CMT/ ●ISC(ISC地震カタログ) 収録期間:1964/01/01〜1994/12/31 データ元: ISC Catalogue 1964-1994 (CD- ROM) システムおよびデータに関する質問・要望等はtsuru@eri.u-tokyo.ac.jp までお願いします. |
EIC地震学ノートより抜粋 |
最近起こった世界の地震の中からとくに興味ある地震
をとり上げます。 EIC地震学ノート No.59 Apr. 6, 99 遠地実体波解析 4月5日ニューブリテン島近海の地震(Ms7.0) 概略・特徴: 4月5日11時7分(UT)ニューブリテン島近海で大地震が発生しました。USGSは当初震源の深さを浅く決めましたが、まもなく修正しました。修正後の震源諸元は次の通りです。
データ処理: IRIS-DMCのデータを地震研究所の準 リアルタイムサービス (gopher)により収集しました。 解析には18地点の広帯域地震計記録(P波上下動) を用いました。観測点はやや北側に偏りがちです。 結果:解析結果を図1#1に示します。 上段:震源時間関数 中段:観測記録(上)と理論記録(下)の比較例 下段:メカニズム解。 主な震源パラメータは以下のとおりです。 走向,傾斜,すべり角=(96, 71, 70)/(325, 27,135) (北北東-南南西圧縮の逆断層型) 地震モーメント Mo = 1.4 e20 Nm (Mw = 7.4) 破壊継続時間 T = 12 s 深さ(Centroid) H = 156 km 震央(再決定) 5.65°S, 149.73°E <<後日の補足>> その後1ヶ月余りの間に、この周辺でM6〜7ク ラスの地震が続発しています。M7以上の地震は3 個です(図2の地図参照)。#1は上記の地震、#2は 5月10日20:33(UT)の稍深発地震(h=150km,Mw=7.0, 正断層)、#3は5月16日00:51(UT)の浅い地震(h=40km,Mw=7.1,逆断層)です。いわば、南関東・東海ぐらいの範囲で兵庫県南部地震以上の地震が1ヶ月で3個起こったということになります。今しばらく目が離せません。 (文責:菊地・山中) |
eic(Cray CS6400)計算機利用状況 |
今年の2月までご利用頂いたeic(Cray CS6400)計算機の利用状況の整理ができましたのでご報告します. センターの登録ユーザ数は,1999年2月末現在444名です.そのうち,CS6400を月に1回以上利用した月別実利用者数は,図1のように徐々に増加しています.(昨年の8月に利用者が多いのは,この頃全利用者にパスワード変更をお願いした為です.) 図1の下のグラフは,このうちCPUを月100時間以上利用した人の数です.この大規模計算利用者の数は,ほとんど変わっていません. |
図1 CS6400月別実利用者の推移 |
図2は,月別のCPU利用時間のグラフです.1997年度にCPU利用時間は少し低下しましたが1998年度になってまた少し上昇しました.これは,1998年5月下旬にジョブクラスを変更し,大規模計算の利用を改善したのが現れているのではないかと思います. 今年3月に導入された新しいeic(Origin2000)は,CS6400に比べてより大規模な計算を可能にしています.ジョブクラスの設定についても,利用状況を見ながら改善を行っていく予定です.ご意見,ご要望がありましたら, eic_staff@eri.u-tokyo.ac.jp までお願いします. |
図2 CS6400月別CPU利用時間 |
お知らせ 新EICシステムOrigin2000に関するご案内は以下のホームページに用意してありますのでご利用ください. EIC計算機システムの利用法 http://eic.eri.u-tokyo.ac.jp/headstart_manual/ 情報センターの利用案内(ガイダンス資料)とEIC計算機システム講習会資料など http://wwweic.eri.u-tokyo.ac.jp/computer/ 利用資格がなくなった利用者の利用停止を実施しました. 利用停止したユーザIDやファイルは,暫くは保存されていますので,特別な理由があれば復活致します. 詳しくは,情報センタースタッフまでご相談下さい. |