EICニュースレター |
本号の目次 ◇新年度を迎えて(菊地正幸)・・・・・・・・・・… ◇新人SE紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… ◇EIC(CrayCS6400)のジョブクラスについて・… ◇EIC地震学ノートより抜粋(菊地正幸・山中佳子)・・… ◇RAの部屋(梅村恒)・・・・・・・・・・…...'.' ◇新J-array地震波形データベース(鷹野澄)・・・・… ◇使って便利なソフトウェア(4)〜MappingToolbox(桧山澄子) |
新年度を迎えて地震予知情報センター長菊地正幸 |
春燗漫、情報センターご利用の皆さま、いかがお過ごしですか。 私は年度末恒例の「各種報告書提出」を何とか乗り越え、"新年度こそは余裕ある計画を"と決意を新たにしているところです。 情報センターとしては、さしあたり、汎用計算機やワークステーションの更新作業を急ピッチで進めています。限られた予算の中で、共同利用研にふさわしく、地震研の持つデータ資源を最大限利用活用できるようなシステム作りと運用形態をめざす所存です。 なお、昨年度まで情報センターにお勤め頂いた坂井さんに代わって、同じCCS(セントラル・コンピュータ・サービス(株))の福井純也さんが新しいSEとして赴任されました。どうかよろしくお願いします。また、坂井さんにはひとかたならぬご尽力と情熱のこもったサービスを頂きました。この場をお借りして感謝申し上げます。 |
EIC(CravCS6400)のジョブクラスについて EIC並列計算機システムのジョブクラスは昨年6月から以下のようになっています。 昨年1年間の利用実績からこのジョブクラスの見直しを検討しています。 ご意見がございましたら当センターまでお願いします。
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新人SE紹介 名前 福井純也 生年月日 S45年9月15日 趣味 釣り、スキー皆さんよろしくお願いします。 |
EIC地震学ノートより抜粋先月起こった地震の中から興味ある地震をとりあげます。もしかしたらこの地震は今年、あるいは、ここ数年の中で最も興味ある地震になるかも知れません。 No.41Apr.9,98 3月25日南極大陸近くの巨大地震(Ms8.0 ) 概略・特徴:大変珍しい巨大地震が南極大陸近傍で起こりました。新聞報道によると昭和基地では棚から物が落ちるほどの揺れを感じたとのこと。USGSの速報(QED)による震源諸元は発生時刻震央深さMs03:12:24.762.88S149.71E10km8.0 データ処理:IRISの16地点の広帯域地震計記録(P波上下動16,SH成分8)を用いました。 結果:ほとんど純粋な横ずれ型のサブイベント5,6個からなる多重震源です。初めの40秒間と70〜100秒間に2つのクラスターが見られます。後者は初期破壊点から140kmほど南方に位置します。主な震源パラメタは以下の通りです。 (図はhttp://wwweic.eri.u-tokyo.ac.jp/EIC/EIC_News/をご覧下さい) 走向、傾斜、すべり角=(16,90,176) 地震モーメントMo=2.Ox10**21Nm(Mw=8.1) 破壊継続時間 丁=94s 深さ (Centroid)H=22km 断層の長さ L=140-160km 解釈その他:2つのクラスターのうち、後ろが本物かどうか、なお検討の余地がありますが、この巨大地震の最も注目すべきは断層メカニズムです。もよりのテクトニック図を見るかぎり、震央近傍にそれらしきツメ跡(トランスフォーム断層など)が全くなく、また、強いて数百km離れたトランスフォーム断層と関係付けようとすると、押し引き分布がほぼ正反対です。地震の規模が小さければ「例外的」とか「ばらつきの範囲」で片付くのですが、これはれつきとしたM8の巨大地震です。何とか英知を絞って、この地震のメカニズムの意味するところを解明したいものです。 |
RAの部屋「ワープロや図の処理にはWindows、計算にはUNIXが有利である」とよく言われます。手元のWindows機とネットワーク上のUNIX機を使い、両方の利点を生かす、こんな方法があります。 1.UNIXにSambaを導入 Sobaは、WindowsからUNIXのファイルやプリンタを使えるようにするフリーソフトです。UNIXのNFSのように、ホームディレクトリをWindowsの仮想ドライブに割り当ててしまえば、ローカルコンピュータのファイルと同様に扱えます。 Sobaは地震研のanonymous ftpサイトからダウンロードできます。ftp://ftp.eri.u-tokyo.acjp/eri/software/Win95/network/samba-1_9_18p2_tar.gz ドキュメントに従って、それほど苦労せずに導入できるでしょう。RAのホームページに、日本語マニュアルのホームページヘのリンクがあります。 2.WhdowsにX端末エミュレータを導入 Windows上に仮想デスクトップソフトを導入して、Windowsアプリケーションを使う画面とシングルウインドウのX端末画面を切り替えながら使えます。また、マルチウインドウモードで、リモートのUNlXからktermやgnuplotなどのX Window Systemクライアントを飛ばしてWindowsアプリケーションと混在させる方法も便利です。ソフトによってはWindowsのクリップボードとUNIXのカットバッファをリンクさせることができます。リモートのUNIXの強力なツールで計算し、計算結果をgnuplotですばやく確認して、結果が良ければWindows上で清書する、といった使い方が考えられます。フリーのX端末エミュレータもありますが、あまり評判は良くありません。RAのホームページで市販ソフトを紹介しています。 |
新J-arra地震波形データベースの紹介
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使って便利なソフトウェア(4) MappingToolbox これはMATLAB Ver5.0の拡張機能ソフトの一つです.当センターにはすでによくご存知の地図を描くGMTが入っていますが,今回紹介するMappingは,MATLABと連動しているといった特徴があります.従って,計算や解析をMATLABで行って,その結果を地図上にプロットしたいというような場合,中間ファイルやワークファイルを作らずそのまま地図上に結果をプロットができます.コマンドなどもMATLABとほとんど共通あるいは最後に文字'm'を付ける(たとえば,axesを描くときはaxesm)という具合です.その他に, ●60種の写像 ●2次元(ラインデータ,コンターなど), 3次元(画像)の地図表示 ○地図を表示したり,加工したりするGUIな操作である. ○世界的に共通な地図のフォーマット変換が,簡単なコマンドでできる.たとえば,よく知られた世界を5"ごとのメッシュに分け,その格子点上の標高(または水深)を計った,ETOP5というものがUSGSから出ていますが,これなどはETOP5とするだけで操作ができます.一方,国内の地理データセンタのデータの方は変更しなければなりませんが,これも別の変換ツールでこれで取り扱えるフォーマット変換ができます.以下に簡単な使用例を書きます. 例1.ETOP5のデータ(メッシュ)から,コンター図を描く場合. matlab5 #MATLAB5,0に入る. load topo;lat=-89:90;lon=1:136; axesm robinson;framem #projectionの枠を描く contorm(lat,lon,topo) 結果は図1 例2.GUIで操作可能であるmaptoolにしたがって画面を見ながらの操作. matlab5 maptool 画面選択により,世界地図を描き,拡大して描きたい部分を枠で選ぶ. 参考文献 MATLAB mapping Toolbox User'sGuide MATLAB mapping Toolbox Reference Guideともに504号室にあります. |