EICニュースレターNo.1 創刊号1997.12.1 |
EICニュースレター創刊のあいさつ |
地震予知情報センター長 菊地 正幸 |
地震予知情報センターでは、当センター利用者の方々への情報提供や連絡用として,ニュースレターを発行することにしました.内容はまだ固定していませんが,さしあたり以下のような事柄を取り上げていく予定です. (1)ソフト,データベースなど,当センターの利用資源に関する情報 (2)センタースタッフによる地震学情報 (3)センターからの連絡事項 およそ目安(目標)として2ヶ月に1度の発行を考えていますが,当面の間は「随時」発行とさせていただきます。また,軌道に乗った段階では,利用者の皆さんの声(要望や情報提供)なども織り込んでいきたいと思ってます.その節は宜しくお願いします. 当センターは,スタッフ,大学院生,SE合わせて10余名という,比較的こじんまりとした組織ですが、地震予知研究に関わるデータの流通基盤の整備や国内外の地震データを用いたリアルタイム地震学の研究など,自然地震から情報科学までの幅広い分野の研究活動を意欲的に行っています。 本ニュースレターが少しでも皆様の研究のお役に立てるように、また、そのことがわたくしどもの研究活動や仕事の励みとなっていけるように,心がけていく所存です.どうか今後とも皆様のご指導と関心をお寄せ頂きますようお願い申し上げます. |
センター新スタッフの自己紹介 |
お知らせコラム EIC数値計算ライブラリーについて 新しいシステム環境では,Fortranのコンパイラの変更があり,数値計算ライブラリーがそのままでは使えません。ライブラリーにより以下のような使い分けをしてください。 LibSciを使う場合 f77の自動並列化コンパイラオプション,-autoparと一緒に使うとエラーになります。そのため以下のいずれかの手法を取ります。 対策 1)Apogee Fortrann77かApogee Fortrann90でコンパイルします. 2)もし自分のプログラムは並列化していないが,LisSciだけで並列化しているのであれば,コンパイラオプションーautoparをつけないでコンパイルしてください.ただしこの場合でもNQSではsetenv PARALIEL 4 とCPUの台数の指定は必ず書いてください。こうすればLibSciの並列機能を利用できます。 IMSLを使う場合 IMSLはf77でコンパイルしたロードモジュールのライブラリで導入されているためApogee Fortrann77/90から使えません。 対策 F77でコンパイルします. 詳細は「EIC計算機システムの利用法」の6.1 LibSci, 6.2 IMSLの例をご参照ください。 |
ホームページから ここでは地震研のホームページからいくつか拾って紹介する予定です.今回は情報センターのメンバ作ったものから2つ紹介します. 地球クイズシステム http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/quiz/ 地震研究所一般公開で大変人気だった地球クイズシステムです。インターネットから誰でもアクセスして利用できます。8問全問正解すると、正解者リストに名前を登録できます。ちなみに、10月の正解者は6名でした。皆さん挑戦してみてください。 地震予知計画の実施状況等のレビューおよび火山噴火予知計画の実施状況等のレビュー http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/predict 本年6月,測地学審議会より、表記の2つの報告書が公表されましたが、実際の内容をご覧になる機会はそれほど多くないかもしれませんので,本文をここに転載することにいたしました.予知計画に関心のある方はぜひお読みになることをお勧めいたします。 |
使って便利なフリーソフト〜ZMAP〜 知る人ぞ知るZMAP,これはMATLABを使って開発された、便利な地震活動の解析用システムです.MATLABver4.0と、MATLABver5.0版があります。インストール法のマニュアル、利用法のマニュアル、プログラムが以下のデレクトリーに入ってます.kamoの中の /ftpa/eri/software/UNIX/bin/Solaris2/misc/zmap です。 右の図はZMAPを利用した震央マップとその断面図です. |
ワークステーションを用いた地震活動解析ソフト(TSEIS)の紹介 |
はじめに 地震活動を解析するためには、震源データを領域、時間,深さ、マグニチュードなどで分類し,議論する、ことが多いわけですがTSEISは、ワークステーション(Xwindow)上でこのような解析をするソフトです。マウスを用いた操作がほとんど(テキスト入力もできます)なので、領域の選択など大幅な作業の簡便化がはかれます。また、プリントアウトもポストスクリプトファイルとして出力されるので,画面上のイメージをきれいに出力することができます.現在のところ震源要素として地震の発生時、発生場所、マグニチュード、震源の決定誤差、メカニズムに関する解析ルーチンが組み込まれてます. 機能 主な機能は以下の通りです。 *M-T:地震のマグニチュードの時間的変化の表示 *N-T:地震の累積数の時間的変化の表示 *時空間分布表示 *断面図表示 *b値の時間変化図、空間分布図表示 *時間間隔分布表示 *メカニズム(P軸、T軸、震源球)表示 *時期色分け:期間を指定して異なる色で地震の震央を表示する。 *震源決定誤差のヒストグラム表示 *複数領域の地震活動比較 使用方法 kamo群、eic群から利用できます. (1)環境設定 プリンター出力はlprコマンドで出すようになっていますので,以下のように利用するプリンター名を設定してください。 % setenv PRINTER<printer name> (2)起動方法 %/opt/local/tseis/bin/tseis*.prm(eic群の場合) %/usr/local/tseis/bin/tseis*.prm(kamo群の場合) 地震活動の解析にはprmファイル(パラメータ設定)を作成する必要があります。デモ用にディレクトリ(/opt/local/tseis/prm)に設定ファイルの例がありますので,これらを参考にしてください。 データベース *気象庁カタログ(JMA) *防災科学技術研究所カタログ(NIED) *ハーバードカタログ(ISC) *ISCカタログ(ISC) *国立大学観測網地震カタログ(JUNEC) の5つのデータベースをコンパイルしてあります.これらのデータベースは随時更新していく予定です。 その他 TSEISのマニュアルは/opt/local/tseis/doc/tseis.psとなっています。出力してご利用ください.また、ご不明の点はtsuru@eri.u-tokyo.ac.jpまでご連絡ください。Webのページも作成する予定です.以下の図はこのソフトを利用して出力した例です. |
EIC地震学ノート M7以上の大きい地震、あるいは、大きくなくても重要と思われる地震、興味ある地震について、広帯域地震計記録のインバージョンによって得られた震源過程の概略をホームページ http://wwweic.eri.u-tokyo.ac.jp/EIC/EIC_News/ に載せています。地震発生後およそ1〜3日以内に掲示していますが、解析結果の質があまりよくない場合は、とりあえず「暫定版」とし、後日修正結果で置き換えています。平成9年の主な掲載地震は下の通りです。 10月21日静岡県の地震(Mj4.3) 10月11日御前崎沖の地震(Mj4.9) 9月26日御前崎沖の地震(Mj4.0) 5月24日遠州灘の地震(Mj5.3) 5月13日鹿児島県薩摩地方の地震(Mj6.2) 5月10日イランの地震(Ms7.3) 3月26日鹿児島県薩摩地方の地震(Mj6.2) 3月17日愛知県東部の地震(Mj5.6) 3月3〜5日伊東沖群発地震(最大Mj5.7) |
EIC計算機システムの利用法の訂正 「EIC計算機システムの利用法」(黄本)に誤りがあります。お詫びして訂正します。また、他の部分にもミスを気付かれましたら、恐れ入りますがご一報をお願いします。 P.19 13行目 例 %apf77-oexl-XT=6400-0-Xkap=mp exl.f(誤) %apf77-oexl-XT=cs6400-0-Xkap=mp exLf(正) P.20 16行目 apf77-Xkap=mp-Xklist=ef.list-ctest.f(誤) apf77-Xkap=mp-XKlist=ef.List-ctest.f(正) p.36 下4行目 印刷の不具合で行の下方がかけて、j等が i に見えます。(誤) jdvi2kps[一fstart_Page][一paPaper_type][-news]file1以下省略(正) P.29 19行目 1pr-dphaserfile名(誤) 1p-dphaserfile名(正) 27行目 1pr-d colorohpfile名(誤) lpd colorohpfile名(正) |
センターからの連絡事項 外部からの電話による利用についてセンターでは、自宅や出張先などから電話で利用できるように公衆回線による接続先を設けています。接続方法は、PPP接続とTTY接続の2種類が用意されています。ご利用希望の方は電話番号や利用方法を問い合わせて下さい。 年末年始についてセンターのeic(CRAY)やkamo等は年末年始も運用します。HITACM-640は、12月27日〜1月4日迄休止します。 |