来る3月より、本センターの全国共同利用並列計算機システムeic(SGI Altix3700)が、新しいシステムに更新されます。
eicは、登録者約450名で、毎月120〜180名から実際に利用され、そのうちの3〜4割(時に5割以上)が、地震研の外の大学や研究所の研究者です。CPUをたくさん使うパワーユーザも毎月15〜20名ぐらいいて、年間では約50名にもなります。このように全国の地震・火山等の研究者に広く利用されていますので、次期システムについてのご関心も高いかと思います。
★仕様が決まるまで★
4年前に現システムに更新したときには、性能が約8倍と大幅にアップしたのですが、導入後2ヵ月目にして月平均稼働率60%を超えてしまい、旺盛な計算需要に関係者一同驚きました。そこで、今回の機種更新でも、今後の大型計算需要に耐えられるように、大幅な性能アップを目指して、内外の多くのメーカに提案を求め、ヒヤリング、ベンチマークテストなどを重ねて、少ない予算ですが、可能な限り高い性能を要求仕様にまとめました。開催した仕様策定委員会は、実に計9回に及び、約9ヶ月の間、委員の先生方には大変お世話になりました。この場を借りて深く感謝します。こうして要求性能は今回も現システムの約8倍程度となり、おそらく多くの利用者の期待を裏切らないものになったと思います。
★システム構成は従来通り★
この厳しい要求仕様をクリアして入札を勝ち取ったのが、「SGI Altix4700システム」です。システム構成は現システムとほぼ同様で、並列計算サーバ(高速版Altix4700, Itanium2, 1.6GHz,256core/512GB共有メモリ)と、高速計算サーバ(同モデル,160core/320GB)の2台の計算サーバと、フロントエンドサーバ(高密度版Altix4700,16core/32GB)からなります。利用者はフロントエンドサーバ(ホスト名eic)にloginして、並列計算サーバや高速計算サーバにバッチジョブを投入します。利用方法も現システムとほぼ同様で、大型ジョブクラスが増えるなど使いやすくなっています。詳しくは3月までに利用マニュアルのページに掲載する予定です。
★高速共有ファイルシステム★
CPUが高速化してもファイルアクセスが遅くては全体の性能向上につながりませんので、次期システムでは、高速・高信頼性でかつ各サーバ間で共有可能な「CXFS共有ファイルシステム」を採用し、ユーザ領域/homeや作業領域/workなどを高速で共有できるようにしました。ディスクアレイの容量は、ファイルのバックアップ装置兼用で、合計54TB(実効容量)ですので、一人の最大容量も増やす予定です。
★MATLABサブシステム★
MATLABサブシステムとしてAltix XE240(Xeon 2.33GHz, 4core/8GBメモリ)を用意しました。今回このサブシステムについても、フロントエンドサーバeicから簡単に利用できるような仕組みを用意する予定です。
★ファイル移行について★
利用者のファイル移行は、2月26日(月)〜28日(水)を予定しています。このため2月26日に現システムを一旦停止してその後利用制限する予定ですのでこの時期に計算を予定されている方はご注意下さい。
★利用マニュアル等のホームページ★
利用マニュアルなどは以下のページに掲載する予定です。また利用方法など準備が出来次第メールでお知らせする予定です。
http://wwweic.eri.u-tokyo.ac.jp/computer/ |