〜IT強震計でみた建物の揺れ〜

(2006.02.25) 
地震 研究所の本館、別館、テレメータ棟の地震時の揺れの比較
発表:2006年02月24日地震研究所談話会
鷹野 澄 ・ 伊藤 貴盛 
 我々は、地震研究所の本館、別館、テレメータ棟の3つの建物に、合計7台のIT強震センサーを設置して、地震時のそれぞれの建物の 揺れを観測 し、そのデータを使って、3つの建物の揺れをJavaを使ったアニメーションで再現してみました。以下に、そのアニメーションを公開します。(本邦初公開 です)

注:IT強震計の表示機能は、Java2アプレットを利用していますので 起動に時間がかかります。表示できない場合は、Windowsの場合は、 sun からJRE最新版をダウンロードしてインストール してください。MacOSXの場合は、標準で対応しています。

  • 2006/02/01 千葉県北西部M5.1の地震のときの揺れ   (文京区本郷の気象庁震度は2) (SK-net)
  •  それぞれの建物では、上階ほど大きく揺れています。なかで もテレメータ棟の揺れの振幅が大きいことがよくわかります。
  • 2006/02/03 茨城県沖M5.9の地震のときの揺れ   (文京区本郷の気象庁震度は1) (SK-net)
  •  一方、この地震の時は、それぞれの建物で、地下階から上階 までほとんど同じ揺れ方をしています。3つの建物が、まるでダンスをしているようでとても面 白いアニメーションが取れました。
     ここでは2つの地震のみを示しました。最初の地震のときの揺れ方は、下から来た地震の波が建物を速く強く揺らしているときの揺れ方 で、こ の場合は上の階ほどよく揺れます。一方、2番目の地震のときの揺れ方は、下から来た地震の波が、建物全体をゆっくりと揺らしているときの揺れ方で、この 場合は上の階も下の階も一緒になって揺れます。

     今回、加速度波形を2回積分して各点の変位を求めて、このようなアニメーションを作成してみました。その結果、安価な加速度センサーを使ったIT強震計 でも、震度1のような小さな地震で建物がどのように揺れているのかを調べられるということが、明らかになりました。今後、このような観測を重ねて、建物の 揺れの特徴だけでなく、その弱点なども調べられるように研究を進めたいと思います。
    アニメーションの操作方法
    操作方法

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